修理金額に大きな差がある理由

一般的な認識として「ディーラー様での修理は高額になる」というイメージがあるかと思いますが、そこにはそれなりの理由があります。 その理由を一言で説明すると「完璧な修理を求められるから」ということになります。

point!

見積りに差が出る理由は

「修理方法の違い」

部品交換か鈑金修復か

「交換部品の違い」

新品かリサイクル部品か社外部品かなど

「外観に現れない部分の処置」

見えない全ての部品を交換するのか

目に見える部分の修理

車の事故、鈑金塗装修理の基礎知識
修理か交換かが分かれる部分
考えられる修理方法
1⃣リアドア:新品部品で交換orリサイクル部品で交換or鈑金修理
2⃣リアクオーターパネル:切開溶接交換or鈑金修理

リアドアとリアクオーターパネル(リアフェンダー)の損傷ですが、ディーラー様など完璧な修理を求められる工場では両パネルとも交換になります。

費用を優先した修理をする場合は、両パネルとも鈑金修理で対応するかリアドアをリサイクルドアで交換することになります

修理方法による価格と仕上がりの違い

どちらの修理も完成後の見た目は、ほぼ変わらない仕上がりになりますが、損傷部分は鉄板自体が伸びてしまっていることもありドアエッジ部分内側(ドアを閉めると見えない部分)に若干の修理跡が残る可能性はあります。 また、ドア・フェンダーにパテが入ることを嫌うユーザー様もいらっしゃいます。 リアクオーターパネルはルーフからステップ(ドアの下内側)まで一体形成のため、リアクオーターパネルを交換する際は、パネルを上下で切断して新しいパネルを溶接して塗装するという大きな手術となるので、交換する場合は費用がかなり高額になります。 リアクオーターパネルを鈑金修理対応にするだけでもかなり費用を抑えることができます。

目に見えない部分の修理

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×印の部分をぶつけ、→方向に衝撃が伝わった場合

【一見したところの損傷状況】

・フロントバンパー損傷
・ヘッドランプのズレ
・ボンネットのズレ

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この部分の内側骨格


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この部分の外殻部品展開図格

内側骨格の写真や展開図からも分かるように、衝撃の程度と入力の方向によって様々な部品に影響が及ぶ可能性があります。

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内側骨格、ラジエーターなどの部品展開図

一見すると「フロントバンパー、ボンネット、ヘッドランプ」をチョイチョイと交換すれば直りそうに見える損傷でも、実際に分解して展開図と照らし合わしていくと無数の部品が関わっていることがわかります。


修理方法による価格と仕上がりの違い

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修理方法によって修正か交換が分かれる骨格部品

表に現れないこれらの部品類(損傷している部分、損傷の可能性がある部分)を交換するのか、調整・修正で対応するのかでもトータルの修理金額は大きく変わってきます。

ご客様のご要望に合った修理を

ディーラー様に代表される「完璧な修理」を求められる工場に於いては、事故による影響が疑わられる部品は基本的にすべて交換します。
根こそぎ交換する主な理由は
「修理着手後に追加費用が生じないようにするため」
「内部の損傷に起因する微細なズレを防ぐため」
「交換に比べて調整・修正は作業時間が読みづらいため」
といったところでしょうか。

お客様によっては「とにかく費用優先で」というご要望や「見た目が戻ればそれでOK」OKといったご意向もありますので、当社ではそういったお客様の意向に沿った修理方法のご提案をさせて頂いております。